2019年8月10日~12日 明神岳東稜~主稜

登山形態:バリエーション
山行期間:2019年8月10日(土)~8月12日(月)
参加者:CL上農、前山、畑、山崎

8月10日  
今年も北鎌尾根を計画していたが、台風10号の影響が山行期間で出そうだったため北鎌尾根は中止となった。9日に代替え案を検討して、明神岳東稜~主稜に決定した。
行動初日は小梨平キャンプ場まで。テント設営後、山崎・畑は下見に行った。
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朝方は半袖では肌寒く感じた。明神館を過ぎて明神橋を渡り養魚場に到着。丸太の橋を2つ渡り樹林帯に入る。樹林帯は蒸し風呂のような暑さだった。樹林帯をしばらく歩くと下宮川谷に出る。踏み跡とマーキングを辿って行く。歩きにくいガレ場続きマーキングを見失った。少し戻って右側を見るとマーキングを発見した。そして、右側の谷筋に入り見下ろすと宮川のコルだと理解できた。時間的にここまで3時間。ひょうたん池までは行けそうにもないが、もう少し進んでみることにする。折れた木にテープが巻いてある所から谷側の斜面を少し下り、樹林帯に入る手前でひょうたん池までの道がはっきり見えたので、偵察を終了して下山開始。明日の暗い中での行動でもわかりやすいように、マーキングを改めて確認し、分かりにくい所にはケルンを作った。偵察中は上農さん・前山さんは装備の確認後、お風呂に入りビールも頂いていたようだ。小梨平に到着後、お風呂に入り夕食を食べて明日の打ち合わせをして早々に就寝となった。
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8月11日
3時に静まり返った小梨平からヘッドランプをつけて出発する。水は各自4L以上ここから担ぎ上げた。自分は4.5Lを持って行くことにした。脱水にならないように細目に摂るつもりだが、ビバークのことも考えないといけないので完全に喉を潤す程度には飲めないと覚悟はしていた。
3:40に明神館に到着する。空を見上げると星が綺麗だった。最後まで天気が持つことも願って星を眺めながら歩いていく。明神橋を渡り養魚場に到着。樹林帯へと進んでいく。下見の成果もあってか、宮川のコルまで問題なく到着する。先行者が2人いることが確認できた。
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休憩後、ひょうたん池に続く樹林帯へ入る。6:55ひょうたん池に到着する。
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ひょうたん池からの第1階段を目指して藪を漕いで登っていく。
8:00に第1階段に到着し、ロープを出し登攀具を装着して上農・前山ペア、山崎・畑ペアで登っていく。1P過ぎた所で自分が変なところでピッチを切ったために後続に迷惑を掛けてします。2P目は登り出しが少しいやらしかった。その後もロープをつけたままツルベで登っていく。ロープをつけたまま歩いたので時間が掛かってしまった。3P過ぎた辺りでロープを外していた方がいいと感じた。結構登った所でCLからロープを外すように指示があった。らくだのコル11:45到着。第1階段かららくだのコルまでの登りは結構長く感じた。
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12:00、バットレス基部でロープ、クライミングシューズで登攀開始。浮いている岩も多いので緊張する。1P目は問題なく通過。
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2P目は出だしのトラバース、その後のガレ場が若干気持ち悪かったが、ここも問題なく通過する。
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3P目核心のバットレスはスラブだ。ホールドもあり、フリクションも効くので問題なく感じた。この辺りから、ガスが上がってきて視界も悪く、一瞬ポツポツとした。
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4P途中、ガレ場で岩がゴロゴロ落ちてくるので岩陰でビレイ。到着後ロープを外した。そのまま、ガレ場を上がると先行の上農さん、前山さんがいた。少し右側が主峰だが、ガスが切れないのと天気が心配になってきたので先を急ぐ。
一瞬ガスが切れ、2峰が見えた。コルまで降りてロープをつけて14:45登攀開始。
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コルから少し左側から登りだしていく。最初の登り出しは少し足の置き場とルートを考えた。その後は問題なく通過し1P目終了。
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2P目は左手の階段状になっている岩場を乗り越えていく。懸垂点を終了点として登攀終了。
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ここでハーネス以外は全て外すことにした。ガスが晴れてきて、ジャンダルム、明神主峰が姿を現す。3峰までの道もはっきりと見えた。
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この時点で15:30頃だった。自分の中では5峰から下りたところの台地でビバークかなと思っていた。しかし、本音は小梨平まで行きたい。3峰は頂上へは上がらず岳沢側を巻いていく。
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4峰、5峰も通過する。せっかくなのでピッケルと写真撮影。東稜を先行していた男女が道に迷ったらしく一緒に下山することになった。
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16:30、5峰から下山する。そして南西尾根のフィックスロープ帯に差し掛かった。足元や持ち手など後続に指示を出し、問題なく通過することができた。
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樹林帯に入ると暗くなってきたのでヘッドランプをつけて下山していく。何度か軌道修正しながら下っていくと、7番標識に到着する。一般登山道を降りて、上高地の遊歩道を歩き河童橋に21:30到着する。道に迷っていた2人も安心した表情だった。今夜は上高地バスターミナルでビバークするとのことだった。自分達も小梨平キャンプ場で夕食を食べ、山行を振り返り就寝することにした。

8月12日
朝食を済ませて小梨平を後にする。上高地からバスであかんだなへ。アルプス街道の温泉施設が去年の11月で閉館となっていた。平湯の森で温泉につかり、アルプス街道で昼食を食べて、高山市内で日本酒を購入して帰阪した。
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今回の山行でアルパインクライミングの醍醐味を感じるとることはできた。途中に何度か味わった緊張感、登頂後の達成感、下山後の安堵感、どれも今までに無い感覚だった。しかし、安全性とスピードについて考えさせられた。ロープを出すと安全はある程度確保される。しかしスピードはどうしても落ちてしまう。これは今までにも教えられて理解はしていたつもりだ。しかし、第一階段で身をもって体験することになった。こういったアルパインクライミングでは、色々な判断を求められるのだろう。良い勉強になった。また、下山中は時間ばかりを気にしてしまい、ルートファイディングが疎かになっていたと思う。自分自身大きな反省点だ。

8月10日  あかんだな駐車場(6:20バス乗車)~上高地(7:00着)~小梨平キャンプ場(幕営)
8月11日  小梨平キャンプ場(3:00発)~明神館(3:40)~養魚場(3:50)~宮川のコル(5:10)~ひょうたん池(6:55)~第1階段(8:00)~らくだのコル(11:45)~明神岳バットレス4P登攀(12:00)~明神岳(14:30)~2峰2P登攀(14:45)~3峰(16:00)~4峰(16:15)~5峰(16:30)南西尾根より下降~小梨平キャンプ場(21:30)


                                      記  山崎